AIで作った曲をSpotifyで配信するまで — Claude×Suno×DistroKidの制作フロー
Ninomae名義でこれまで13作品をSpotifyやApple Musicに配信してきました。制作の中心にあるのはAIとの分業です。使っているのはClaude(プロンプト設計)、Suno AI(楽曲生成)、ChatGPT(ジャケット制作)、そして配信のDistroKid。この記事では、その4ステップの流れと、やってみて分かった注意点をまとめます。
全体フロー: 4ステップの分業
流れはシンプルです。①Claudeと対話して曲のコンセプトをプロンプトに言語化する → ②そのプロンプトでSuno AIが楽曲を生成する → ③ChatGPTでジャケットのアートワークを作る → ④DistroKidから各配信サービスへリリースする。ツールは3つ+配信サービス1つだけで、DAWや楽器がなくても配信までたどり着けます。
ポイントは、各ツールに「得意なことだけ」をやらせる分業になっていることです。文章化が得意なAI、音を作るAI、絵を作るAI。人間の仕事は、その間をつないで方向を決めることに集中します。
ステップ1: Claudeでプロンプトを設計する
いきなり楽曲生成AIに向かわず、先に「どんな曲を作りたいのか」を言語化する工程を挟みます。ジャンル、テンポ感、雰囲気、どんな場面で流れてほしいか——頭の中にあるイメージをClaudeとの対話で掘り起こして、楽曲生成用のプロンプトに組み立てていく。ここが制作の設計図になります。
この工程を挟む理由は単純で、プロンプトの質がそのまま生成される曲の質になるからです。イメージが曖昧なまま生成を回すと、当たりを引くまで運任せの「ガチャ」になります。逆に設計図がしっかりしていれば、生成結果のブレが小さくなり、選ぶ作業が楽になります。
ステップ2: Suno AIで楽曲を生成する
設計したプロンプトをSuno AIに渡して楽曲を生成します。曲の構成や歌詞の有無もプロンプトでコントロールでき、生成された候補から「これだ」というテイクを選んでいきます。
ここで絶対に飛ばしてはいけないのが規約の確認です。生成AIサービスは、プランによって生成物の商用利用(=配信リリースして収益を得ること)の扱いが異なります。リリース前提で作るなら、商用利用が認められる条件を自分のプランで必ず確認してください。配信した後に権利関係でつまずくのが一番痛いパターンです。
ステップ3: ChatGPTでジャケットを作る
アートワークはChatGPTの画像生成で作っています。曲のタイトルと雰囲気を伝えて、正方形のジャケットに仕上げる流れです。配信用のアートワークは高解像度の正方形(3000×3000px目安)が基本で、ここが粗いとストアの画面で一気に安っぽく見えます。
注意点として、ジャケットにSNSのアカウント名やURLのような宣伝要素を入れると、ストアの審査で差し戻されることがあります。タイトルとアーティスト名以外の文字は入れない、くらいの気持ちでシンプルに作るのが安全です。
ステップ4: DistroKidでリリース — 楽曲情報は「できるだけ埋める」
配信はDistroKidを使っています。年額制で曲数無制限のディストリビューターで、Spotify・Apple Music・YouTube Musicなどへまとめて配信でき、リリース日もあらかじめ指定できます。
リリース作業でこだわっているのは、曲名・ジャンル・言語・歌詞・クレジットといった楽曲情報をできるだけ埋めることです。ストアの検索やレコメンドはこのメタデータを頼りに動くので、空欄はそのまま「リスナーから見つけられにくい曲」になります。地味な入力作業ですが、配信ボタンを押す前のここが、実は露出を左右する工程だと思っています。
あわせて、アーティスト名の表記はどのストアでも統一しておくこと。私は「Ninomae」名義で揃えていて、公式サイト側でも本人とアーティスト名義を紐づける情報を整備しています。名義がブレると、せっかくのリリースが同一アーティストとして認識されなくなります。
まとめ: AIが作り、人間が決める
13作品リリースして見えた分業はこうです。AIができるのは「作ること」。コンセプトを決める、テイクを選ぶ、規約と権利を確認する、リリース情報を整えるのは人間の仕事です。特に商用リリースでは、規約確認とメタデータ入力という地味な工程こそ、AIに任せきりにせず自分の目を通す価値があります。
リリースした楽曲は音楽ページにまとめています。Spotify・Apple Musicへのリンクから聴けるので、AI楽曲がどんな仕上がりになるのかの実例としてどうぞ。